生きるを支える

こんにちは!株式会社ケアリー代表の舩見です。

いつもケアリー通信をご覧いただきありがとうございます。

今日は、ご入居者様のFさんとスタッフのことについてお話ししたいと思います。

Fさんは.岐阜下佐波1号館のオープン日からご夫婦で入居し、昨年の9月に彦根宇尾にお引越しされたALSの方です。

Fさん

これまでも『最近Fさんが元気がない』と連絡が入ると、岐阜からスタッフが会いに行ってくれたりしてました。

また、かき氷が食べたいと言うと、スタッフが家のかき氷機を取りに行って、スーパーを探し歩き、シロップを買ってきてくれて、かき氷を食べさせてくれたり、唐揚げが食べたいと言えば飛んで買いに行ってくれました!

本当に優しく、温かいスタッフばかりです。

呼吸状態がよくないと彦根の看護師さんから連絡が…

数日前ナーシングホームケアリー彦根宇尾の看護師さんからの電話で、『Fさんの呼吸状態がよくないです。ご飯も1ヶ月食べてないですし、無呼吸の時もあります』と連絡がありました。

Fさんに会いに行くと、かなり衰弱し、動いていた手も動かず、泣く事もできなくらい体力がなくなっていました。車椅子にも1ヶ月座っておらす、寝たきりになっていました。

Fさん

『お願いだから、何か食べて。何なら食べれそう?』
と、尋ねると『お蕎麦』と言われました。蕎麦処藤村のご親戚なので、どうしてもそこへ行きたいと言っていました。

以前、葬儀で出かけた際、医師から『もう、食べる事は危険を伴うし舌も動いていないから無理です。それでも食べる場合は、窒息や、誤嚥性肺炎のリスクがあります』と宣告を受け落ち込んでいたのですが、外出先でうどんをペロリと食べて、自信を取り戻した経緯があり、その成功体験があったので、私たちも、外出して気分を変えれば、もう一度復活するかもしれない!という気持ちもありました。

ただ明らかに、その時より状態は悪く、目に力もなく、うつろな状態でした。

ナーシングホームケアリー岐阜下佐波の施設長の田中さんにその事を話すと、『社長、今日行きましょう。こういう事は先延ばしにしては後悔しますよ!』と力強い言葉をもらいました。

『看護師も要りますね。水谷(管理者)さんも行けますか?』
その日はパートの看護師さんや、新人さんが多い日だったので、責任者が二人も抜けてしまうと現場が混乱するかもしれないとみんなに相談しました。

全員が『こちらは私達でなんとかするので、行ってあげてください』と快く背中を押してくれました。

急いで蕎麦処藤村に連絡し、事情を話すと、快く準備をしてくれることになり、その事をナーシングホームケアリー彦根宇尾に行っている看護師の早川さんに伝えました。

息子さんにも連絡を取ったところ、仕事を全てスケジュール調整して、駆けつけてくれる事になり、急いで彦根宇尾に向かいました!

現地では彦根宇尾のスタッフが準備をしてくれていました

現地に着くと、看護管理者さんが、オムツ、吸引器、とろみ、ハサミ、スプーン等必要と思われる全ての物を準備してくれていました。

みんなの支援があり、Fさんご夫妻、Fさんのお兄さんのお蕎麦屋さんへの外出が始まりました。

外出

お蕎麦屋さんまでの道のりは40分ほど。Fさんの体力が持つかどうか…
看護師が二人乗り込み、Fさんの様子を見守ります。
途中吸引をしながは、お蕎麦屋さんへ到着。

お蕎麦屋さん

中に入るなり、Fさんの泣き声が。

『やっとこれたね!』と言うと、大きく頷きました。
『何食べる?』と聞くとざるそばを目で合図されたので注文。

そば

出来たお蕎麦をハサミで刻んでとろみをつけて食べさせると、パクリ。
上手に飲み込んでくれました。
『美味しい?』と聞くと涙を浮かべて、大きく頷き、ネギとわさびも入れてと。

なんと、1ヶ月何もご飯を食べてなかったとは思えない勢いで完食!

そば

さらに、蕎麦湯まで飲み干しました!
嬉しくて全員で拍手して、涙涙でした。

集合

朝のうつろな顔とは大きく変わり、手にも力がありました!

同行した私たちも、こんな素敵な瞬間に立ち会えるなんて、幸せだね!
みんなが協力してくれて、Fさんの外出が叶って、こんな素敵な笑顔を見る事ができた!と私たちスタッフが元気をもらいました!

協力してくれた、お店の方にも感謝です。

お店の方にご挨拶をして帰ろうとするとFさんから、神社に行きたいとリクエストあり、みんなでお参りに行きました!

お参り

『今年は初詣行けなかったから、これが初詣だね!』

施設に戻ると…

施設に戻ると、スタッフのみんなが心配そうに待ってくれてました。

Fさんの変わり様にビックリ‼️
『朝とは表情が全然ちがうね!目に生きる力があるね!』と。

目に生きる力


Fさんに田中さんが、『また、来月も行こう!それまで、体力つけておいてくれないと、クラブハリエまでたどりつけないから、次はクラブハリエに行ける様に、体力つけておいてね!』と。

Fさんは、大笑いで手を強く握り返してくれてました!

Fさんを彦根宇尾に送り、岐阜に帰ると、岐阜下佐波のスタッフも、『おかえりなさい!Fさんはどうでしたか?』と駆け寄ってくれました。

猫のコロロちゃんも、おかえり!と。

今回は、ナーシングホームケアリー岐阜下佐波と、彦根宇尾のスタッフが一丸となってこそ出来た外出でした。

生きるを支えるってこういう事なんだ!

いろんな奇跡が重なって、生きる力をまた取り戻してくれた。
こんな瞬間に立ち会えて、感動と感謝の一日でした!

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