事業責任者のケアリーへの想い
ナーシングホーム ケアリーを立ち上げるきっかけは、癌末期の母の入院と看取りの体験でした。
ナーシングホームケアリーのホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。
私の両親は病気で亡くなっています。母は膵臓癌を発病し入院したとたん、どんどんと弱り、あっという間に管だらけの入院生活となりました。
病院では「転ぶと危ないから、歩いてトイレに行かなくても良いように、売店でオムツを購入してきてください」と看護師さんに当然のことように言われました。
でも母は意識もしっかりとあり、歩くこともできました。
私たち家族は、母の意識がなくなるまで、おむつはしないと決めました、これは人間の尊厳にかかわることと思ったのです。
入院生活が続く中でのある日、母が「家に帰りたい・・・」と口にしました。
そんな母の願いを叶えるために、家に帰る準備をしようと、福祉用具にベッドのレンタルを依頼。訪問看護・介護・在宅医療の体制を作ろうと、ケアマネさんに連絡しました。
「引き受けられる医師も、訪問看護もありません。受け入れられる施設もありません」
現実を目の当たりにしました。この先どうすればいいのか…母に何をしてあげられるのか…?という日々が続く中、母は入院先の病床で最期を迎えました。
その時に看護師さんに言われた言葉が「息を引き取ったら1時間以内に病院を出てもらいたいので、今のうちに葬儀屋さんを手配しておいてください」です。
もちろんお仕事ですから致し方ないのでしょう。
でも、病気になることが罪なのか? 年を取ることが迷惑なのか? 要介護認定者に人生を楽しむ権利はないのか? 看取り患者は静かに亡くなるのを待つだけなのか?
と私の中で多くの気持ちがめぐりました。
難病患者様の施設であっても、看取りのための施設であっても、生きて楽しむ権利は誰にでも平等であり、尊厳は守られなくてはなりません。
私は世の中で同じ境遇の方々が多く存在するであろう、ならばその方々の笑顔のお手伝いをしたい。そんな想いがベースとなり、ナーシングホームケアリーは、誕生しました。
私たちは、何より入居者様とご家族の心に寄り添い、施設だけど家族とご自宅で過ごしているような暖かい生活環境を提供していきたいと考えています。